北朝鮮ならず者集団がついにICBMを発射、中国に翻弄されトランプ政権に選択肢狭まる

 7月4日はアメリカ独立記念日である。その日に、北朝鮮ならず者集団はトランプ政権へのプレゼントとして日本海に「火星14」ミサイルを打ち込んだ。翌日、ならず者集団はICBMだと声明し、アメリカも遅れてICBMだと確認した(写真=火星14の発射実験)。

◎トランプ政権、対北朝鮮懲罰の時期を失した?

 トランプ大統領らがそれとなく警告していた「レッドライン」を越えたわけだ。

 シリアのアサド政権軍が毒ガス使用したことで、レッドラインを越えたとして4月に巡航ミサイル空爆したことに倣えば、北朝鮮ならず者集団への懲罰的空爆も近いことになる。

 ただアメリカは、空母2隻を日本海に派遣した4月に結局、空爆は見送ったから、時期を失した観がある。北朝鮮への空爆は、即、韓国への報復攻撃のリスクがあり、トランプ政権が4月危機後に誕生した従北の文在寅政権の反対を押し切り、空爆を実施できるか微妙なところである。

 今回も、「本格的なICBMではない」として、結局、懲罰攻撃を見送り、時期を失する可能性が高い。

◎アメリカ東部西海岸にやっと届く程度か

 「火星14」は、垂直に近いロフテッド軌道をとったから、933キロを飛んで日本海の日本のEEZ内に落下したが(代わりに最高高度は2800キロに達した)、本来の水平に近い軌道で飛ばせば射程は最大8000キロとなり、西海岸にようやく到達する程度だ。しかも大気圏再突入に必要な技術開発をまだ終えていないという見方が強い。

 東部のワシントンとニューヨークは、当面、安泰だ。したがってトランプ政権も、今回も懲罰攻撃を見送るという見立てだ。

 しかし今回も、国連安保理での非難決議程度でお茶をにごせば、世界はならず者集団にすっかり足下を見られることになる。

 次は、ミサイル搭載可能な小型化した核の6回目の核実験だろう。そして、そらに脚の長い弾道ミサイルを打ち上げることになろう。

◎老獪な習近平に騙されたトランプ氏

 それにつけても4月の米中首脳会談で、トランプ大統領は習近平にすっかり籠絡されたことが、北朝鮮ならず者集団をつけあがらせた側面がある。

 この間、トランプ大統領は、習近平の甘言に乗せられて、対中貿易赤字問題を含め、ほとんどの課題を棚上げした。老獪なスターリン主義者の習近平は、シロウトのトランプ大統領を、思った以上に与しやすいと考えたに違いない。

 このところさすがのトランプ大統領も、どうやら習近平に騙されたらしい、と気づきつつあるように見えるが、ならず者集団に初歩的ICBMの発射まで許してしまっては、もう手遅れの観がある。

◎「朝鮮戦争」で血を流して守った権益

 スターリニスト中国は、対北朝鮮の石油禁輸をいまだに実施していないどころか、1〜3月期の中国の対北朝鮮貿易は前年同期比37.4%も増えていることを発表する始末だ。

 スターリニスト中国が北朝鮮ならず者集団の制裁に本腰を入れていないのは、メディアでよく言われているならず者政権が崩壊すると、中国に大量の難民が押し寄せ、中国東北地方が大混乱を起こすことを恐れていることもある。

 しかし真の理由は、半世紀以上前、韓半島で当時の金日成政権の崩壊を食い止めるために、韓国戦争(いわゆる朝鮮戦争)に参戦し、大量の死傷者を出しながらも、金日成政権を守った歴史を忘れていないからだ。

 いまだに共産党政権に影響力を持つ引退した長老が、習近平に制約をかけるし、当時のことを知る老兵がまだ生き残っている。彼らは、「血を流して北朝鮮を守り、自国の権益を守護した」と信じているのである。

 習近平は、そうした党内の反対を抑え込めないのだ。

北朝鮮ならず者集団と「悪魔の取引」の懸念

 さてそうすると、次のトランプ大統領の打つ手に興味が湧く。

 実は一部の国際政治学者は、とうてい見たくもないシナリオすら予測する。

 つまりこれ以上のICBM開発などの停止を見返りに、北朝鮮ならず者集団の非核化を放棄し、核装備を一転して容認するという「悪魔の取引」だ。アメリカ・ファーストのトランプ大統領にしてみれば、アメリカ本土に核ミサイルさえ到達しなければ、日本や韓国が核の恫喝にさらされようと、どうでもいい、というドライな割り切りである。

 これは、クリントンオバマ以上の、悪いディールに他ならない。

◎独裁小国の開き直ったしたたかさ

 これまで北朝鮮ならず者集団が、アメリカに約束したことを守ったことがない過去を見れば、そんな「悪魔の取引」も結局は、ならず者集団に時間稼ぎに利用されるだけだ。

 結局は、ワシントンとニューヨークを標的にする核弾頭付きICBMの完成を許すことになる。何より金正恩が、アメリカののど元に匕首を突きつけなければ金王朝の安堵はない、と考えている以上、どんな「譲歩」も一時しのぎに過ぎない。

 自分たちだけが生き残れれば、自国が焦土と化そうとかまわない、とするならず者集団のたった数発の核弾頭付きICBMが、巨大な核大国のアメリカを跪かせるのである。

 そんな恐ろしい近未来を我々は、許していいのだろうか。

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