ベートーベンの交響曲第3番「英雄」の初演

1805年の今日、オーストリア・ウィーンにあった劇場で、ベートーベンの交響曲第3番「英雄」が初演されたとの記録が残されています。

この「英雄」とはナポレオン・ボナパルトであり、フランス革命後のナポレオンに共感・讃える曲として作曲が始まりました。

そして、ちょうど曲が完成する頃、ナポレオンが皇帝に即位したことに対して、ベートーベンは怒り「奴も俗物に過ぎなかったか」と賛辞が書かれた表紙を破り捨てたという逸話が残っています。

しかし、実際にはウィーン楽友協会に残る楽譜には表紙を破り取った形跡はなく、ただ表紙の「ボナパルト」という題名とナポレオンへの賛辞を消した上に「シンフォニアエロイカ」と改題され、「ある英雄の思い出のために」と書き加えられているそうです。

この曲を作曲したときのベートーベンはと言うと、作曲家にとって命である「耳」の疾患に悩まされ出した頃です。療養しても良くならず悪化する一方。

絶望の淵に立たされた中でも、心の底から新しい音楽が次から次と沸き上がって来て、輝やく音楽が胸の中で鳴り響いたそうです。「この音楽を残さずには死ぬものか!」と聴力を失ってもなお作曲し続けます。その結果生まれたのが「英雄」です。

第9番「合唱」を作曲する以前、「自分の曲の中で何が一番好きですか?」とインタビューを受けたとき、彼は「第5番「運慶」よりも第3番「英雄」だ」と答えたそうです。

この話を知ってから聴くと、私の中で感動はさらに深まります。

今日のカットは、ベートーベンの似顔絵です。